袴田巌さん(88)の再審で、静岡地方裁判所は先月26日に無罪の判決を言い渡し、9日、静岡地方検察庁が控訴の権利を放棄する手続きを取ったことから、袴田さんの無罪が確定しました。

警察庁の露木長官は10日の定例の会見で、「検察当局によると、判決理由に多くの問題を含み、到底承服できない一方、袴田さんが結果として、長期間、法的地位が不安定な状況に置かれてきたことを考慮した結果、控訴しないことにしたと承知している。きのう静岡県警察の本部長が、袴田さんの法的地位が不安定な状況に置かれてきたことについて、申し訳なく思っているとコメントしていて、警察庁としても重く受け止めている」と述べました。

そのうえで、「静岡県警察においても可能な範囲で改めて事実確認を行うと報告を受けている。警察庁としても今後の教訓とする事項があれば、しっかりと受け止めて、いっそう緻密で適正な捜査に取り組んでいきたい」などと述べました。