おととし12月、愛知県の岡崎警察署の留置場の保護室で、公務執行妨害の疑いで勾留されていた43歳の男性が、暴れたことを理由にベルト型の手錠や縄などで連続100時間以上にわたって拘束され、その後死亡しました。

男性の父親は、警察官らが統合失調症の症状のあった男性をベルト型の手錠や縄などで長時間拘束した上、水分補給のための何らかの措置をとったり、必要な医療措置を受けさせたりせずに死亡させたなどと主張して、愛知県に8000万円余りの賠償を求める訴えを10月12日に起こしました。

15日、代理人の海渡雄一弁護士らがオンラインで会見を開き「男性は人間として扱われていない状態だった。ベルトの手錠の使用禁止も含め、抜本的な改革を求めていきたい」と話しました。

この問題をめぐっては留置管理に関わっていた元警部が医師の診察を受けさせるなどの義務があったのに、男性を保護室に放置したなどとして、業務上過失致死の罪で略式起訴され、名古屋簡易裁判所が罰金80万円の略式命令を出しています。

一方、男性を蹴るなどしたとして特別公務員暴行陵虐などの疑いで書類送検された当時の署員8人は不起訴になっています。