京都府警察本部捜査2課に所属する警部補の林謙司 被告(57)は、4年前の2020年、京都市の高齢者の住宅から現金およそ300万円を盗んだほか、5年前の2019年にも市内の別の住宅から現金およそ10万円と腕時計を盗んだなどとして、窃盗の罪に問われています。

12日、京都地方裁判所で開かれた初公判で、林警部補は「間違いありません」と述べ、起訴された内容を認めました。

冒頭陳述で検察は、4年前の事件について「特殊詐欺を防ぐための金融機関からの通報で、1人暮らしの認知症の高齢者が多額の現金を保管していることを知り、『詐欺などの被害にあっていないか』といって住宅を訪れ、現金を盗んだ」と説明しました。

さらに、5年前の事件についても触れ「捜査で訪れた亡くなった人の自宅で、遺書などを探す際に現金と腕時計を盗んだ。盗んだ金は、飲食代やカードローンの支払いにあてていた」などと述べました。

このあとの証拠調べで、検察官は被害者の供述調書を示し、「警察官なので信用していたが、亡くなった息子が大切にしていた腕時計や現金を盗まれ、息子の魂が踏みにじられた。厳しい処罰を受けてほしい」と読み上げました。

次回の裁判は3月1日に開かれる予定です。