訴えを起こしていたのはジャーナリストの伊藤詩織さんで、自身をひぼう中傷するツイートに繰り返し「いいね」を押されてフォロワーに拡散され、名誉を傷つけられたとして、杉田水脈衆議院議員に賠償を求めていました。

1審の東京地方裁判所は「いいね」を押す行為について「非常に抽象的でさまざまな意味を持つ表現行為で、特段の事情がないかぎり違法とはならない」などと判断して訴えを退けました。

一方、2審の東京高等裁判所は「一般的に『いいね』は対象のツイートに好意的、肯定的な感情を示すものにとどまるが、伊藤さんへの批判を繰り返していた杉田議員は、名誉を傷つける意図を持って『いいね』をしたと認められる。11万人ものフォロワーがいる国会議員のアカウントで行われたものであり、影響は大きい」と指摘して1審とは逆に訴えを認め、55万円の賠償を命じました。

これに対して杉田議員側が上告していましたが、最高裁判所第1小法廷の安浪亮介裁判長は9日までに上告を退ける決定をし、杉田議員側の敗訴が確定しました。