財務省の発表によりますと去年、全国の港や空港で税関が摘発した覚醒剤や大麻など不正薬物の密輸事件は815件と前の年に比べて22%減りました。

ただ、このうち旅客機を使った密輸事件は262件と前年の3倍近くに増えていて、財務省は新型コロナの水際対策が緩和され、海外との往来が増えたことが要因だと見ています。

一方、押収量は全体で2406キロと前年よりも79%増えて、コロナ禍前の2019年に次いで過去2番目の押収量となりました。

去年は、UAE=アラブ首長国連邦から東京港に入港した貨物船から海上貨物としては過去最大の704キロの覚醒剤を押収したほか、メキシコから成田空港に到着した航空貨物の中から113キロの覚醒剤を押収するなど、大口の摘発が相次いだためです。

税関は海外の関係機関との連携強化や、新たな検査機器の導入が大口の摘発につながったとしたうえで、今後も厳正な取締りに努めるとしています。