天皇陛下は、誕生日を前に、皇居・宮殿で記者会見に臨み、元日に発生した能登半島地震について、「多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております」と述べられました。

そのうえで、「現地の復旧の状況を見つつ、被災者の皆さんのお気持ちや、被災自治体を始めとする関係者の考えを伺いながら、訪問できるようになりましたら、雅子と共に被災地へのお見舞いができればと考えております」と話されました。

また、ことし5月で即位から5年となるのを前に、これまでの天皇としての歩みを振り返って、「国民の皆さんの中に入り、少しでも寄り添うことを目指して、行く先々で多くの方々のお話を聴き、皆さんの置かれている状況や気持ち、皇室が国民のために何をすべきかなどについて的確に感じ取れるように、国民の皆さんと接する機会を広く持つよう心掛けてまいりました。これからも雅子と相談しつつ、このことを心掛けながら各地を訪問してまいりたいと思います」と語られました。

さらに、日本赤十字社への就職が内定している長女の愛子さまについて、「人のために何かできればという思いを以前から持っていたように思います。皇族としての仕事も増えてくると思いますが、今後も、思いやりと感謝の気持ちを持ちながら、皇室の一員として一つ一つの務めを大切に果たしていってもらいたいと思います」と述べられました。

そして、ことし9月に成年となられる秋篠宮ご夫妻の長男の悠仁さまについて、「小さい時から甥として成長を見守ってまいりましたが、近頃は、地方や都内への訪問であったり、外国の方々との交流であったり、少しずつ、皇室の一員としての務めを果たしてくれていることを頼もしく思っています」と話されました。

皇居では、23日に天皇誕生日の一般参賀が行われ、天皇陛下は、皇后さまや秋篠宮ご夫妻、愛子さま、佳子さまとともに、午前中に3回、宮殿のベランダに立って、お祝いを受けられます。