東京労働局の審議会は5日、労使の代表などが都内の最低賃金について議論し、厚生労働省の審議会が示した目安のどおり、50円引き上げて時給1163円とする案をまとめ採決の結果、賛成多数でこの案を労働局に答申しました。

50円の引き上げは、現在の方法で決めるようになった平成14年以降で最大です。

審議会によりますと
▽物価の高騰による生活への影響や
▽ことしの春闘で大企業を中心に、高い水準の賃上げが行われたことなどが重視されたということです。

一方で
▽企業側の委員からは最低賃金の引き上げの必要性は認識しているとしたうえで、中小企業などでは高騰する原材料費や人件費のすべてを価格転嫁できず、厳しい経営状況だという意見が出されました。

新たな最低賃金は異議申し出の手続きなどを経て正式に決定し、ことし10月1日から適用される見通しです。

東京地方最低賃金審議会の都留康会長は「パンなど、頻繁に購入する品目の消費者物価が高水準で推移していることを重く受け止め、最低賃金近くで働く非正規労働者などの生活の苦しさを勘案すべきと考えた」と話していました。