発表によりますと小林製薬は、一連の問題を受けて、8日の取締役会で、紅麹関連の製品の製造や販売を行う事業から撤退することを決めました。

重大な健康被害を引き起こしたことを踏まえたもので、引き続き、補償や原因究明の対応は進めていくとしています。

8日付けで新たに社長に就任した山根聡氏が、大阪市で開かれた決算会見に出席しました。

冒頭、山根新社長は、「あってはならないことを起こしてしまい、痛恨の極みだ。他者をおもんぱかる想像力が事業の出発点だが、これを見失ってしまった」などと述べ、陳謝しました。

今回の問題で小林製薬はことし1月以降、健康被害が疑われる事例が相次いで会社に報告されたにも関わらず、公表まで2か月以上かかるなどしたため、7月、経営責任を取る形で、創業家出身の小林一雅会長と、小林章浩社長の辞任を決めました。

これについて山根新社長は、「創業家中心の同族会社で、良いときは一枚岩で強く回るが、回り方が逆になると負になってしまう」と述べたうえで、今後は創業家と適切な距離を置いて経営を行っていく考えを示しました。

一方で、辞任した小林前会長を特別顧問とし、通常の顧問の4倍にあたる月額200万円の報酬を支払うことについては、「前会長は、新製品の開発やマーケティングで長年の経験を持ち、ものづくりに役立つのは事実だ。言い値でやる訳ではない」などと述べ、報酬は適切だと強調しました。

また、会見には、社長を退いて健康被害の補償を担当する取締役となった小林章浩氏も出席し、「創業家出身として、当時の社長である私が、責任を持って補償をやりきることが使命で、粉骨砕身、身をささげていきたい」と述べました。