札幌市に住む男女2人は5年前、市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣にやじを飛ばしたところ、北海道警の警察官によってその場から排除され、表現の自由を侵害されたと訴え、1審の札幌地方裁判所は、2人の排除は違法だとして道に賠償を命じ、2審の札幌高等裁判所は男性については警察官の判断を合理的だとして訴えを退けた一方、女性については道に55万円の賠償を命じました。

その後、男性と道がそれぞれ上告していましたが、最高裁判所は20日までに上告を退ける決定をし、男性の訴えを退ける一方、女性については道に賠償を命じる判決が確定しました。

これについて警察庁の露木長官は22日の会見で「警察官の行為が一部違法とされたことは警察庁としても真摯に受け止めなければならない」と述べました。

そのうえで「選挙運動に伴う警護は通常の警護に比べ、格段に危険度が増すが、警護対象者と聴衆の安全を確保するために、危険性を判断して適切な警護措置をとることは難しい判断が伴う」と述べ、演説会の主催者との連携など、警護措置の徹底を図ることや、警護員の対処能力を向上するために実践的な訓練を行うことなどを通して、選挙運動に伴う警護の万全を図る考えを示しました。