認知症だった米子市に住む荒川泰子さん(当時59歳)は去年8月8日の早朝、行方が分からなくなり、自宅近くの防犯カメラの映像などから松江市方面に向かって歩いていったとみられています。

夫の勉さんは、チラシを配ったりSNSを活用したりして情報提供を呼びかけていますが、有力な手がかりがないまま1年が経過しました。

勉さんは「1年間、本当にあっという間でした。早く帰ってきてほしい」と話しています。

こうした中、ことし2月、勉さんは認知症の人やその家族でつくる団体「認知症の人と家族の会」に加入し、自身の経験をもとに認知症の人が行方不明になった際の対応について講演するなどの活動を始めています。

勉さんは「家族の居場所も安否も分からない人はけじめがつかない状態で毎日悲しい思いをしています。そのような人たちの役に立てるように活動していきたい」と話していました。