防衛省は、来年度予算案の概算要求について会議を開き、最終的な調整の結果、8兆5389億円を求めることを決めました。

今年度の当初予算を8140億円上回り、過去最大の要求となります。

このうち、弾道ミサイルの発射の兆候を把握したり、敵の艦船などを探知・追尾したりするため、複数の人工衛星を連携させて情報を収集するシステム「衛星コンステレーション」を構築する費用が初めて盛り込まれ、3232億円を計上しています。

また、敵の射程圏外から攻撃でき「反撃能力」としても活用する「スタンド・オフ・ミサイル」として、艦艇から発射できるよう改良し、射程距離も伸ばした「12式地対艦誘導弾」に、170億円を計上するなどしています。

このほか、▽侵攻してきた敵の車両などを攻撃する小型の無人機の取得や、▽違法なドローンを探知して無力化する器材の導入費用なども盛り込まれています。

政府は、防衛力の抜本的強化に向けた整備計画に基づいて、令和9年度までの5年間にあわせておよそ43兆円を支出するとしていて、防衛費は昨年度から急速に増えていますが、それを賄うための増税は実施時期が決まっておらず、9月の自民党総裁選挙などでも論点となることが予想されます。