横断歩道は、車のタイヤとの摩擦などで塗料がすり減ることから、交通量の多い場所では2年から3年ごとに塗り直しが必要で、維持管理にかかるコストが課題になっています。

白線の間隔は、標識標示令で45センチから50センチと定められてきましたが、警察庁は塗り直しのコスト削減などを目的に、白線の間隔を90センチまで広げることを可能にする制度改正の方針を打ち出し、ことし6月にかけて意見を募集しました。

これに対し、目の不自由な人たちから「白線の間隔を広げると横断歩道を認識しづらくなる」という複数の意見が寄せられたということです。

警察庁は、視覚障害者の団体に聞き取りなどをしたうえで「すべての横断歩道」を対象にしていた当初の方針を変更し、信号が変わったことを音で知らせる装置と「エスコートゾーン」と呼ばれる誘導ブロックが設置された一部の横断歩道に対象を絞ったうえで、7月26日から制度を開始しました。

警察庁は、目の不自由な人の安全に十分配慮して横断歩道の塗り直しを進め、合理化との両立を図りたいとしています。