旭川市の中学2年生だった廣瀬爽彩さん(当時14)は3年前の2021年3月、雪の積もった市内の公園で死亡しているのが見つかり、遺族の求めで設けられた市の再調査委員会は今月、いじめが原因の自殺だったとする報告書を市に提出しました。

市は遺族の意向を確認したうえで、プライバシーに関する15ページ分を除いた「公表版」を作成し、13日、市のホームページで公表しました。

公表版の報告書はおよそ370ページにおよび、女子生徒が発達障害の1つの「自閉スペクトラム症」と診断され、コミュニケーションが苦手だったことが記されています。

そして、こうした特性を背景として中学校のクラス内で疎外されていると感じさせたことや、クラス外で上級生などがLINEで性的な話題を続けたり写真を送らせたりしたことなど、合わせて7件をいじめと認定しています。

そのうえで、女子生徒が亡くなったことについてはいじめを受けてPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症し自殺に至るまでトラウマに苦しんだとして、「いじめ被害が存在しなければ自殺は起こらなかった」と結論づけています。

また、報告書には尾木直樹委員長らによる再発防止に向けた提言として、すべての児童生徒に性教育を保障することや、特別支援、障害特性などへの対応を丁寧にすることが盛り込まれています。