記録的な大雨となった能登半島では土砂災害などによって孤立する集落や仮設住宅の浸水が相次ぎ、輪島市では「集団で市外に避難したい」という声も上がり、調整が進められています。

輪島市の復興に向けた都市計画を検討する委員会の委員長も務める東北大学災害科学国際研究所の姥浦道生教授は、「仮設住宅の建設がほぼ終わり、その後の生活再建をどうしていくか考える段階だったが、今回の大雨でやり直しになった。なりわいでも、仮設の工房や店舗の計画ができていた時期だったので、被災者一人ひとりの心が折れてしまいそうだと感じている」と述べました。

そして、まずは泥かきや片づけといった支援が被災した人の心を支え、復興の支援にもつながると指摘しました。

また、能登半島地震のあと集団での移転希望が出始めていて、今回の水害を受けてその議論が一層加速する可能性があると分析しています。

今後、集落で議論をしていく上で姥浦教授は「移転するか・しないか、ゼロイチの判断にしない」ことが重要だと考えています。

集落での話し合いの結果、仮に移転するとなった場合でももとの場所で農作業を続けたり、場所を変えても、まつりを続けたりという方策はあると指摘しています。

姥浦教授は「能登の土地とどうつながりながら生活をするのか、集落や個人の単位で検討していくことが重要ではないか」と話しています。