珠洲市真浦町の池田真里子さん(68)は、夫の幸雄さん(70)と息子とともに旅館を営んでいます。

9月21日、池田さん一家は自宅を兼ねた旅館で過ごしていましたが、大雨で近くを流れる垂水川が増水し、川の水や土砂が建物内に流れ込んできたということです。

この時、池田さん夫婦が巻き込まれて流され、池田さんは何かに体が引っかかって無事でしたが、夫の幸雄さんはそのまま姿が見えなくなったということです。

この時の状況について、池田さんは「『お父さんどこ』と聞いたら片手をあげるのが見えたので、つかまえようと手を伸ばしましたが、あと少しのところで再び鉄砲水が来て見失ってしまいました」と話しています。

旅館は海に近いため、海上保安庁に連絡しヘリコプターなどでの捜索が行われましたが、幸雄さんは見つかっておらず、池田さんは、輪島市内の施設に身を寄せて夫の帰りを待っています。

家族で営んできた旅館は能登半島地震で被災して営業できなくなり、再開に向けて修理を行っている最中でした。

池田さんは「旅館のお金の管理などはすべて夫に任せていたので、こんな状態になって困っています。今どこにいるのか分かりませんが、『帰ってきたよ』と元気に現れるかもしれないと思って待っています」と話していました。