ことし1月、日本航空の旅客機が羽田空港に着陸した直後に滑走路上にいた海上保安庁の航空機と衝突した事故では、海上保安庁機が誤って滑走路に進入したとみられています。

このため、国土交通省の専門家委員会は、ことし6月、航空機や車両が滑走路上にいる場合に路面のランプが点灯してほかの航空機などに警告する「滑走路状態表示灯」の国内主要空港への導入などを盛り込んだ再発防止策をとりまとめました。

これを受け、羽田空港では2日未明から、4本ある滑走路のうち離着陸が最も多いC滑走路につながる誘導路上で表示灯の設置工事が始まり、その様子が公開されました。

作業員は専用の車両や機械を使い、路面に直径30センチの穴を開けて表示灯の土台を埋め込んだほか、近くに溝を作り、配線を通すための管を設置していました。

国土交通省によりますと、羽田空港ではC滑走路など3本の滑走路とそれぞれの誘導路に設置し、5年後の2029年度にはそれらすべてで運用したいとしています。

また、羽田のほかには新千歳、成田、中部、大阪、関西、福岡、那覇の7つの空港に設置する予定で、これら7つの空港では2030年度の運用開始を目指しているということです。

国土交通省の航空灯火・電気技術室の伊藤正宏室長は「パイロットの支援システムを構築し、2度と誤進入が起きないようにしたい」と話しました。