「秩父吉田の龍勢」は秩父市の吉田地区に松の木をくりぬいて作った筒の中に火薬を詰め、竹の先端に取り付けた「龍勢」と呼ばれる手作りのロケットを打ち上げる、江戸時代から伝わるとされる伝統行事で、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

13日は作物が豊かに実るよう祈り、感謝する年に1度の打ちあげとなり、製法を受け継ぐ23のグループがそれぞれの「龍勢」を持ち寄りました。

そして、山のふもとに組まれたやぐらから次々と打ち上げると、大きな音をたてて秋晴れの青空に白い煙を出しながら300メートルほど上空へと上がり、落下傘などが開いて地上に降りてくるたびに、見物に訪れた人たちから大きな拍手が送られました。

熊谷市から訪れた40代の男性は「煙が竜のように昇って行く姿がすごかったです」と話していました。

吉田龍勢保存会の新井ひこ次会長は「いい龍勢が上がりました。先代から引き継いだこの祭りを盛り上げていきたいと思います」と話していました。