核のごみは、地下300メートルより深くに埋めて最終処分を行うことが法律で決まっていて、処分地の選定に向けた第1段階の「文献調査」が、全国で初めて、2020年11月から北海道の寿都町と神恵内村を対象に行われています。

事業主体のNUMO=原子力発電環境整備機構は、これまでに2つの町村の地質や火山、活断層に関する論文など860点余りの文献資料を分析し処分場を建設するうえで「明らかに適切でない場所」がないか調査してきました。

その結果をまとめた報告書の原案がまとまり、寿都町では全域が、神恵内村では火山の積丹岳の半径15キロを除いた村の南端の一部が、現地でボーリングなどを行う第2段階の「概要調査」の候補地として示されることが、関係者への取材でわかりました。

これらの地域の大半は、2017年に政府が作成した、「科学的特性マップ」で、好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高いとされた範囲と重なっています。

ただ、寿都町では断層がある地域が「科学的特性マップ」で、好ましくない特性があると推定されていましたが、今回の原案では留意すべきとしたものの、「概要調査」の候補地からは除外しませんでした。

報告書の原案は、13日に開かれる国の審議会で報告され、複数回にわたる審議を経て正式にまとめられる予定で、2年程度とされた見込みが大幅に長引いてきた文献調査はひとつの節目を迎えることになります。