住所不定・無職の松尾留与被告(53)は、2021年11月、兵庫県稲美町の自宅にガソリンをまいて火をつけ、一緒に暮らしていた妹夫婦の子どもで、小学6年生の松尾侑城さん(当時12)と、小学1年生の眞輝さん(当時7)の兄弟を殺害したとして、殺人と放火の罪に問われています。

7日、神戸地方裁判所姫路支部で開かれた裁判員裁判で、検察は「同居生活の中で一方的に募らせていた妹夫婦への不満を晴らすための手段として、何ら落ち度もない子どもたちの殺害を決意した。動機は非人道的なもので、極めて強い非難に値する」と指摘しました。

そのうえで、「いまだに後悔の念は皆無で、裁判でも遺族をさらに苦しめる発言をするなど更生は困難だ」として死刑を求刑しました。

一方、弁護側は「被告は軽度の知的障害のため、適切な判断や選択をして解決する能力が低く、我慢して不満を蓄積させた。内省を深めるには限界があるが、一歩ずつ進んでいる」などとして、死刑にすべきではないと主張しました。

判決は2月15日に言い渡されます。