中国四国管区警察学校で指導部長を務めていた岩本幸一 元警視正は、マッチングアプリで知り合った3人の女性に性的暴行をした罪などで起訴され、さらに別の女性に性的暴行をしたなどとして逮捕されていましたが、先月17日、広島中央警察署の留置場のトイレで自殺しました。

県警察本部は留置の態勢などに問題がなかったか調査を進め、15日、結果を公表しました。

それによりますと、担当の警察官は決められた頻度で元警視正の留置場を巡視していたものの、1時間余りにわたって目視での確認をせず、姿が見えていなかったのに巡回表に巡視を終えたとする記載をしていたということです。

この警察官は、最後の巡視を終えた15分余りあとで異変に気づき、留置場内のトイレの扉を開けて意識のない状態の元警視正を見つけたということで、調査に対し、「業務が多忙だったので目視をしない巡視になっていた」と説明しているということです。

また、死亡する1か月ほど前に元警視正が大声をあげる言動があったことなども適切に共有されておらず、県警察本部は「自殺の危険性に対する危機意識が希薄化していた」としています。

不十分な巡視はほかの複数の警察官にもあったということで、県警察本部は、広島中央警察署の署長を本部長注意に、署の留置管理課長を本部長訓戒とするなど、関係する警察官を処分しました。