奥氏は京都府出身の56歳。

平成2年に旧大蔵省に入り、財務省で予算編成を担当する主計局の次長や、大臣官房の総括審議官、国有財産の管理などを担当する理財局の局長などを歴任し、5日付けで国税庁長官に就任しました。

記者会見で奥氏は「適正に申告・納税をしている多くの納税者が、不公平感を抱くことがないよう、不正などには厳正に対応し、適正公平な課税・徴収の実現に努めたい。納税者からの信頼を得ながら国の財政を支える組織として使命を果たしたい」などと抱負を語りました。

消費税の免税制度を悪用し、不正に還付を受ける事業者が相次いでいることを重点課題と位置づけ、全国各地の国税局にある消費税調査の専門の部署を中心に対策を強化していく考えを示しました。

自民党の派閥の政治資金の問題などをめぐり、納税への国民の関心が高まっていることを問われると、「個別の事柄についてはコメントを差し控える」とした上で、「日本の税務行政は申告納税制度の上に成り立っていて、納税者の皆さんの国税組織に対する理解と信頼なくして円滑に運営できないと考えている」などと述べました。