訴えを起こしたのは6年前、都内の大学病院で勤務中にくも膜下出血を発症した当時40代の男性医師です。

10日、代理人の弁護士が厚生労働省で記者会見を開きました。

弁護士によりますと医師のパソコンの記録などから発症前半年の時間外労働は月に182時間から278時間に上っているとして労働基準監督署に労災の申請を行いました。

しかし、労働基準監督署は当直勤務のうち6時間は仮眠がとれたとして労働時間とされなかったことなどから労災と認められなかったということです。

その後の国の審査では、仮眠など十分な休息を取ることなどを条件に当直勤務を労働時間から除外できる「宿日直許可」を取得していたことを根拠に当直勤務はほとんど働く必要のない勤務だったとして労働時間と認められませんでした。

これに対して原告側は、当直勤務中、医師は診察や緊急対応などを行っていて労働時間に当たると主張し、10日、国に対し、労災と認めるよう求める訴えを起こしました。

厚生労働省は「訴状が届いていないので詳細を把握していません。コメントは差し控えさせていただきます」としています。