逮捕されたのは、大阪府の咲洲庁舎に入る「さきしまコスモタワーホテル」の開発会社の社長 譽田喜博容疑者(62)と、運営会社の社長 小寺孝明容疑者(64)です。

警察によりますと、2人は去年7月から9月にかけて、資産の差し押さえを免れるため、取引先の旅行代理店に依頼し、宿泊料金の一部、合わせておよそ900万円を管理する別の会社の口座に入金させて隠したとして、強制執行妨害の疑いが持たれています。

大阪 住之江区にある地上55階建ての咲洲庁舎はもともと大阪市の第三セクターが建設したビルでしたが、テナントの入居が進まずに経営が破綻したため、2010年に大阪府が購入して庁舎としての活用を始めました。

空き室が多いことが課題となる中、府は2017年にテナントを公募し、それに応じたのが「さきしまコスモタワーホテル」でした。

「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」などが近くにあり、インバウンドの観光客が見込めることが理由だったということです。

しかし、ホテルは開業のおよそ10か月後から賃料などを滞納するようになったため、府は会社側を訴え、ことし6月、賃料などの支払いと建物の明け渡しを命じた大阪高等裁判所の判決が確定しました。

これを受けて府は今月、会社側に対し、ことし10月末までに建物を明け渡すよう通知していました。

警察が詳しいいきさつを調べています。2人の認否については明らかにしていません。