損害保険業界では、旧ビッグモーターによる保険金の不正請求があったほか、企業向けの保険をめぐって大手どうしで価格調整が行われるなど、法令順守に対する姿勢が厳しく問われるような問題が相次いでいます。

こうしたことを受けて、金融庁は市場の信頼をいち早く回復させる必要があるとして、保険業界の監督指針の見直しに乗り出す方針を固めました。

具体的には、保険代理店の業務が適正かどうかを第三者が評価する仕組みを導入し、不十分だと指摘されてきた保険会社による代理店の指導のあり方や、特定の会社の商品を優先的に扱うことにつながる便宜供与の解消が進むのかについて、調査や分析を行います。

金融庁は、これらの結果を踏まえて監督指針を見直すことにしていて、新たにまとめる「金融行政方針」の中にこうした対応を盛り込むことにしています。

このほか「金融行政方針」には、普及が進んでいる生成AIなどの活用を金融業界で広げるための方策についても、検討する方針を盛り込むことにしています。