福島第一原発2号機では、先月22日、事故後初めて、溶け落ちた核燃料デブリの試験的な取り出しに着手する計画でしたが、直前で装置の取り付けミスが見つかり、延期されました。

取り付けミスがあったのは伸縮する細いパイプ状の取り出し装置で、5本ある押し込み用のパイプで格納容器の中まで押し込む仕組みになっていますが、あらかじめ並べられていたパイプの順番が誤っていることに、当日になって気がついたということです。

4日は東京電力の小早川社長が齋藤経済産業大臣のもとを訪れ「広く社会に関心、期待を寄せられた中での作業中断でご心配おかけしたことを、改めておわび申し上げる」と陳謝したうえで、原因に関する調査結果と再発防止策を報告しました。

原因については、事前にパイプを並べる作業の現場は放射線量が高く、作業員は重装備が必要でミスが起きやすい環境だったにもかかわらず、手順の確認が十分ではなかったとしています。

また、東京電力の社員は現場に立ち会っておらず、その後の確認も行っていなかったということです。

そのうえで、今後は準備段階も含めて、現場視点に立った作業手順の策定や確認を徹底するとしています。

これに対し齋藤大臣は「廃炉作業の安全性や遂行能力に不安を抱かせないよう、東京電力は高い緊張感を持って対応することを厳しく求める」と述べました。

東京電力は5日、会見を開いて詳しい原因と対策や、再開に向けた今後の進め方などについて説明するとしています。