「公益通報者保護法」では、不正を内部通報した人に対し、解雇などの不当な扱いを禁じていますが、罰則がないことから、企業や自治体などで通報者への不当な対応が疑われるケースが相次いでいます。

このため、消費者庁はことし5月に立ち上げた有識者検討会で、法律の改正を視野に議論を進めていて、通報者を捜したり、不当な扱いをしたりすることに新たに罰則を導入するかどうかなどが焦点になっています。

2日は経済団体など関係者へのヒアリングが行われ、この中で、日本経済団体連合会の会員企業の担当者は、「罰則が導入された場合、会社に対して不当な扱いだと訴えるケースが増加することが懸念される。本来、声をあげてほしいと思っているが、本意ではない対応も考えざるをえない」と述べ、罰則の導入に慎重な姿勢を示しました。

一方、日本弁護士連合会の担当者は、「弁護士会に寄せられた不当な扱いに関する相談内容としては、嫌がらせが最も多く、次いで配置転換となっている。中には、通報者捜しが行われたのではないかと疑われるものもある」などと話し、通報者を守るためにも不当な扱いに対して罰則を導入すべきだいう考えを示しました。

検討会では引き続き議論を続け、罰則を導入すべきかなどについて年内に報告書をまとめることにしています。