北海道せたな町によりますと、10日夕方、住民から町役場に「海岸にイワシが打ち上げられている」と連絡がありました。

町の職員が10日に続いて、11日朝も現場を確認したところ、海岸およそ1キロの長さにわたって、10日よりも多くのイワシなどの魚が打ち上げられていたということです。

町は対応を協議していますが、魚は岩場にも漂着していることから重機による回収作業は難しいということで、12日午前からおよそ40人で手作業で回収することにしています。

せたな町では3年前、別の場所でもおよそ7トンのイワシが打ち上げられていて、町によりますと、今回の魚の量は当時よりも多いということです。

海洋生物の行動に詳しい北海道大学大学院の中屋光裕准教授は「イワシの群れが、海水温の急激な低下によってより温度の高い場所を求めて南に移動していたとみられる。海水温が急激に下がるとイワシは動きが鈍くなるためしけの影響で流されて、打ち上げられたのではないか」と話しています。

北海道内では先月、函館市と江差町の海岸でもイワシなどの魚が大量に打ち上げられ、函館市では、海に漂流していた魚も合わせると推計で合わせておよそ1100トンに上ったとみられています。