2013年8月、横浜市に本社がある船舶修理会社で働いていた北九州市の30代の男性は、出張先のサウジアラビアで船の補修作業に当たる中、体調を崩して死亡しました。

遺族などは熱中症が原因だと主張し、会社側が安全に配慮する義務を怠ったとして、およそ6300万円の賠償を求める訴えを起こしていました。

13日の判決で、福岡地方裁判所小倉支部の寺垣孝彦 裁判長は、当時35度以上に達していたと考えられる作業現場の気温や、おう吐や脱水症状といった症状がみられたことなどから、男性は熱中症が原因で死亡したと認定しました。

そのうえで「会社側は一定の対策を講じていたものの、気温や湿度などをもとに熱中症の危険度を示す『暑さ指数』を測定せず、体調などの確認をしないまま作業に従事させていた」などと指摘して会社の責任を認め、4800万円余りの支払いを命じました。