無職の矢野洋平容疑者(44)は、去年1月、他人のIDやパスワードを勝手に使ってインターネットバンキングの口座にアクセスしたとして、不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕されました。

ネットバンキングを悪用した不正送金のグループの首謀者とみられ、合同捜査本部は、これまでに矢野容疑者の指示を受けていたとみれるグループの実行役9人を逮捕しています。

その後の調べで、矢野容疑者は「副業バイト」などと称してSNSで実行役を募り、グループのメンバーは互いに面識がなかったことが捜査関係者への取材でわかりました。

実行役は、
▽口座の残高を確認する役
▽被害者のスマートフォンを乗っ取る役
▽送金先の暗号資産の口座を開設する役など
役割が細分化されていたということです。

ネットバンキングを悪用した不正送金は、去年1年間の被害額が86億円にのぼり、被害が深刻化しています。

グループがどのようにして被害者の口座情報を入手したかはわかっておらず、合同捜査本部は、口座情報の入手経路についても詳しく調べることにしています。