埼玉県熊谷市の無職、安栖達也被告(29)は去年10月、東京 新宿区の駐車場にとめたレンタカーの中でSNSで知り合った当時15歳の女子高校生に性的暴行を加えたうえ首を絞めるなどして殺害し、遺体を乗せたまま栃木県上三川町に移動して遺棄したなどとして殺人などの罪に問われています。

1日、宇都宮地方裁判所で開かれた裁判員裁判で起訴された内容に間違いないか問われたのに対し被告は、「ありません」と述べました。

検察は冒頭陳述で「被害者と知り合う前からインターネットで『殺人逮捕まで』や『人 首を絞めたあと』などと検索していた。被告は事件のあと被害者の携帯電話を捨て、やり取りしていたSNSのアカウントの削除方法を検索していた」などと主張しました。

一方、被告の弁護士は「被告は凶器を準備せず素手で被害者を殺害していて衝動的な事件だ」などと主張しました。

1日の裁判では殺害された女子高校生の母親の証人尋問も行われました。

母親は被告や傍聴席から姿が見えないよう遮蔽板越しに証言し、「娘は中学生までは人見知りする性格だったが、高校生になってからは友達もでき、楽しく過ごしていた。高校を卒業させてあげたかった」と話しました。

そのうえで被告に対しては「娘が味わった苦しみを身をもって体験してほしいと思うが、それはかなわないのでできるだけ重い処罰を望みます」と、何度もことばを詰まらせながら証言していました。